対人関係療法とは
対人関係療法の生い立ち
対人関係療法(IPT: Interpersonal Psychotherapy)は、現在の対人関係に焦点をあてた短期精神療法です。本来はうつ病患者の治療用に、米国の精神科医クラーマン博士らが1960年代後半から開発したものです。クラーマンらは、精神療法も薬と同じように効果をきちんと検証してから普及させるべきだというふうに考えていたため、対人関係療法は、臨床研究を通して発展し、効果ついてのデータは他に類を見ないほど充実しています。
重要な他者への焦点化
一般に精神療法においては、焦点を絞り込めば絞り込むほど短期に効果が上がってきます。「対人関係に焦点を当てる」といっても、「対人関係なら何でも」というふうに焦点を拡散してしまうと、幼い頃の対人関係や、いろいろな友人との対人関係など、次から次へと話題が出てきてしまい、長期にわたってしまいます。一方、対人関係の中でもテーマを絞り込めば、短期で効果を得てカウンセリングを終了させることができます。
対人関係療法は、「重要な他者」との「現在の」関係に焦点を当ててカウンセリングしていくものです。また、単に焦点を当てるのではなく、そこで問題になっていることを四つのテーマのうちの一つに分類し、それぞれの戦略に従ってカウンセリングをしていく、というふうにある程度マニュアル化されています。療法がきちんと定義されているので、効果のデータも正確にとることができ、有効性が検証されています。精神療法の中でも、有効性を証明するデータがもっとも多い療法であるといえます。
うつ病と摂食障害に有効な療法
もともとはうつ病の治療法として開発されたものですが、そのあと、摂食障害(拒食症や過食症など)や外傷後ストレス障害(PTSD)など、さまざまな状態に対する治療法として手を加えられてきています。日本以外の国ではよく知られた治療法であり、とくに、開発国のアメリカでは、1995年の消費者ガイドで支持されたことによって一般にもその存在が大きく知られるようになり、アメリカ精神医学界のうつ病の治療ガイドラインでも、有効な治療法として位置づけられています。近年では、グループ療法のスタイルも開発され、電話面接のスタイル、予防法としての活用など、さまざまな可能性が試みられています。
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