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うつ病について考える③

うつ病について考える③

“うつ”から脱出するには原因をしっかりと押えていく必要があります。 



 ただ、一般的には、“うつ”の原因は不明ということになっています。

 だが、そこを捉えていかないとなかなか問題の解決は難しいものとなります。

ここからは仮説レベルにはなりますが、大きな間違いはないと考えています。

臨床段階では充分に有効な仮説です。

臨床実績が何よりもそれを示してくれることでしょう。

さて、仮説としては、原因は大きく2つに分けられます。

あくまでもカウンセリングの臨床レベルであることをご理解ください。

その2つとは、精神疲労と潜在原因の2つです。

精神疲労は、行き過ぎたハードワークによって肉体と精神が過剰に酷使された
結果として、精神疲労を起こし、セロトニンとノルアドレナリンの減少を引き
起こしているというものです。

潜在原因は、生まれながらに持っている気質あるいは体質、生育環境の中で身に付
けてきた防衛反応機能により、潜在的にセロトニンとノルアドレナリンが少ない、
あるいは減少しやすい傾向です。

原因がこの2つだとすると、それぞれに対処の仕方も変わってくるわけです。

まず、原因が精神疲労の場合です。

精神疲労が原因の場合には、過剰な酷使が原因となっているのですから、まずは
充分な休息が必要となります。
休息をとるということから始める必要があるわけです。

この休息だけで自然と回復していくケースも多々あります。

ただ、過剰に酷使してしまう気質や性格特性があるわけですから、そこは
修正を図っていく必要があります。

そのためには、以下のセルフケア行動を身につけていくとよいでしょう。
  ・生真面目さは、仕事ではなく趣味など自分の好きなことで発揮する
  ・まーいいか、まーいいか、という感覚を大事にする
  ・あまり考えすぎないでとりあえず行動してみる
  ・自分と同じものを相手に求めない
  ・場合によっては、人の話をそのまま受け取らず割り引いて聞く
  ・自分の決めたルールを守ることに執着しない
  ・気兼ねなく休む習慣を身につける
  ・楽しいだけのことをいっぱいやってみる
 これらのうち自分に合いそうなものを選んで可能な範囲でやってみてください。

次に原因が潜在原因による場合です。セロトニンとノルアドレナリンが潜在的に
少ないあるいは減少しやすいケースです。

  まず特徴的な気質としては不安気質の発現が大きく影響しています。
  不安気質は、自信物質であるセロトニンが枯渇しやすい傾向があります。
  そして不安が強いと交感神経が緊張しやすいためノルアドレナリンの過剰
   分泌の結果として、これもまた枯渇しやすい傾向が考えられます。
  また、出産前後や幼少期や生育環境のなかで傷つきやすい傾向を潜在的
   に内包してきている可能があります。

このようなケースの場合には、まず潜在的に欠如している自信を取り戻す必要
あります。自信を取り戻すためには、自信欠如に至った潜在意識下にある原因
を変容させていきます。満たされていない欲求を催眠イメージ療法で満たして
いきます。 催眠イメージ療法で満たされてない潜在情報を充分に満たし自信
を取り戻すことによって、セロトニンが増加してノルアドレナリンの減少傾向
も修正されていきます。

また、精神疲労のケースと同じように以下のセルフケア行動を身につける
とよいでしょう。

   ・マイナスの感情が湧いてきたら一旦それを脇に置いてみてみる
   ・そのマイナスの感情を他の人に吐露してみる
   ・マイナスの感情を引き起こす環境から一旦はなれてみる
   ・信頼を深めあえる人と付き合う
   ・自分の気持ちや考えを相手に伝えてみる
   ・周りの反応に対してすぐ反響しないで、ひと呼吸おいて冷静に対処する

さて、ここまで2つの原因である精神疲労と潜在原因についてみてきたわけですが、
実はこれら2つの原因は完全に独立して存在するものではないのです。
多くの場合はどちらも混在した状態で存在しているわけです。

だから、そこのところは、原因と現在置かれている状況や進行具合をしかりと見極め
ながら、今現在現れているものにぴったりとくる対処を施していくことが大切に
なってきます。

メンタルオフィスSINBI