急増する適応障害。病気を正しく理解して薬ではなく心理療法・カウンセリングで治療を。
昨今の精神障害として、適応障害が急増しています。適応障害から過食症を発症してしまう場合も多いようです。
適応障害は薬で治るものではありません。ちゃんと病気を理解して治していっていただければと思います。
(執筆:SINBI代表カウンセラー 福山 裕康)
① 適応障害とは
適応障害とは、「明らかなストレス因子(例えば学校・職場・人間関係・転居・生活の変化など)にさらされた後、その人にとって耐え難い・適応しづらい状態となり、気分・行動・身体面に症状が出て、日常生活・社会機能に支障を生じている」状態を指します。
例えば、「転勤」「部署異動」「引越し」「新しい人間関係」「失恋」「家庭内の変化」など、環境や役割の変化・負荷がきっかけとなることが多いです。
そのストレス因子が明確である点が、他の精神疾患(例えばうつ病や不安障害)と比べたときの大きな特徴です。
症状は比較的短期間(通常はストレス開始から3 か月以内に発症)に出現し、ストレス因子が解消されるか適応が進めば6 か月以内に改善する場合が多いです。 ただし、ストレスが長期・継続的であったり適応が進まないと「慢性化」することもあります。
② 主な症状・影響
適応障害では、次のような症状・影響が現れやすいです。
情緒面/心理面
- 気分が落ち込む、憂うつ、涙もろくなる。
- 強い不安、緊張、焦燥感。
- 怒り・苛立ち・イライラ。
身体・行動面
- 不眠、食欲不振、頭痛・腹痛・動悸など身体症状が出ることも。
- 暴飲暴食、過剰な休息・回避行動、仕事・学校・人付き合いがうまくいかないなど、行動変化が出ることもあります。
社会・機能面
- 本来こなせていた仕事・学業・家事が困難になる。
- 人との交流を避ける、日常生活が滞る、場合によっては欠勤・休学・休職につながる。
③ なぜ発症するのか/要因
適応障害の発症には以下のような要因が関わります。
- 明確なストレス因子:生活の転換、役割の変化、人間関係の破綻などが典型。
- 個人差:性格・気質・過去の対処経験・耐ストレス性などにより、同じ出来事でも反応が異なります。
- 継続・複合ストレス:ストレス因が長期・重複・複雑であると、より症状が強く・慢性化しやすい。
このように、「ストレスに対する適応がうまく進まない」ことで起こるのが適応障害の本質といえます。
④ 治し方・回復へのステップ
ここが最も重要です。薬だけで済ませてしまうと、本質的な回復には繋がりにくいため、心理的な支援(カウンセリング・心理療法)が必須という点を強調します。
メインの治療アプローチ
- 心理療法/カウンセリング(対話療法):個人・家族・グループいずれの形式もあります。特に、ストレス因子の明確化・対処スキルの習得・思考パターンの調整・感情の整理が中心。
- 例えば、認知行動療法(CBT)は、ストレスに対する反応・思考・行動を整理・変えるのに有効という報告があります。
- ストレス因子の調整/環境対応:可能であれば、ストレスの原因そのものを軽減または除去すること。例えば、職場の配置変更・負荷の減少・役割の見直し・休職など。
- 日常生活の見直し・セルフケア:適度な休息、睡眠・食事・運動の基盤を整える。信頼できる人に相談する。無理をしすぎず早めのケアが重要。
- 薬物療法(補助的):気分が著しく落ち込んだり、不安・不眠が強い場合、抗うつ薬・抗不安薬・睡眠薬などが用いられることがあります。ですが、これは「主役」ではなく「補助」的な位置づけです。
なぜ「カウンセリング・心理療法」が必須なのか
- 薬で症状(たとえば気分低下・不安・睡眠障害)を一時的に和らげることは可能ですが、「なぜそのストレスに対して過剰な反応をしてしまったのか」「どうすれば適応できるか/再発しないか」という根本的な学び・変化は、心理療法による働きかけなくしては十分に得られにくいと、研究でも指摘されています。
- ストレス因子が継続していたり、適応作業が進まない環境下では、薬だけでは改善が遅く・再発リスクも残ります。心理的処置・環境対応を並行して行う方が予後が良いという報告があります。
回復までの目安・ポイント
- 多くのケースでは、ストレス因子に対する適応が進み、治療開始から6 か月以内に症状が改善することが多いです。
- しかし、ストレスが長引く・環境が変わりづらい・適応に支援がない場合には「慢性化」しうるため、早めに援助を受けることが賢明です。
- 自分でできる取り組みとしては以下が挙げられます(専門治療と並行して行うべき)
- ストレス因を明らかにする(何がつらいか/変えられるか)
- 信頼できる人に相談する・話を聴いてもらう
- 生活習慣を整える(睡眠・食事・運動)
- ストレス対処スキルを身につける(深呼吸・リラクセーション・時間管理・役割の見直し)
- 薬に頼りすぎず、心理的支援を必ず併用することを意識する
- 無理をせず、少しずつ回復を積み重ねる
⑤ 活用・注意点
- 「ただ気分が落ちている」や「ちょっとストレスが続いている」だけで放置すると、他の精神疾患(例:うつ病・不安障害)に発展する恐れがあります。適応障害は「ストレス‐反応型」の障害として位置づけられており、原因が明確な点が特徴ですが、適応が進まないと状況は悪化します。
- 相談・受診のタイミングとしては、ストレス因を自分で変えられない・抑うつ/不安・眠れない/生活機能に支障ありと感じたら、早めに専門家(心療内科・精神科・臨床心理士)に話を聞いてもらうべきです。
- 職場・学校などで「環境を変えられないから我慢する」「薬だけで何とかなるだろう」と考えるのはリスクがあります。やはり「環境・心理・生活習慣」を包括的に見る視点が重要です。
- 心理療法を受ける際、「ただ話すだけ」ではなく、ストレス因子を整理し、適応スキルを学び、行動変化につなげるプロセスが大切です。信頼できる専門家とともに進めることが望ましいです。
⑥ まとめ
適応障害は「誰でも遭遇しうる」ストレス‐反応に端を発する状態ですが、放置すると日常生活・仕事・人間関係に深刻な影響を及ぼします。だからこそ、薬だけに頼るのではなく、カウンセリング・心理療法を中心に据えて、環境対応・生活習慣・ストレス対処スキルを整えることが回復の鍵となります。
あなた自身や周囲の方が「最近どうもストレスが抜けない」「変化に対応しづらい」「以前ならできた日常がつらく感じる」という場合には、早めに“話を聴いてくれる専門家”を頼ってください。
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こちらの記事も参考に>【摂食障害】親子の愛のやり直しで摂食障害を治す方法とは?
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